生前贈与で相続税対策をする場合の注意点③ ~自分の生活資金も確保する必要がある~

相続頑張るFPです。

前回まで相続税対策として有効な手段である贈与をする際の注意点について解説しました。今回は自分の生活資金を確保するという観点で解説したいと思います。

 

贈与をしたお金は戻せない

贈与をしたお金は自分のお金だと思っている方も多くいますが、贈与をしたお金は、贈与を受けた人のお金ですので、自由に使うことはできません。

もし、自分でも使えるように通帳や印鑑は贈与者が保管している場合は、「名義預金」として相続財産に加算される可能性があります。

子や孫が無駄遣いをしないように、財産を祖父母や親が管理をしているというケースもあると思いますが、名義預金は税務署から指摘される可能性も高いため、しっかりと贈与を受けた人の手元で財産を管理するようにしましょう。

 

老後の生活にかかる費用

老後の生活では現役で働いている時代には思いもよらなかった費用がかかるケースも多くあります。どのような費用がかかるか解説していきます。

有料老人ホーム等の入居費用

終の棲家として自宅ではなく、有料老人ホームやケア付きのマンションなどを検討する方も多くいます。高級な有料老人ホーム等は入居時の一時金で数千万円、毎月数十万円がかかるケースもあります。

将来有料老人ホーム等への入居を検討している場合は相場も確認し、入居費用を確保できるか確認してから贈与をするようにしましょう。

リフォーム費用

高齢になると若い時には必要でなかったりフォームが必要になることも多くあります、段差のバリアフリーやお風呂やトイレなどの手すりの設置など高齢者ならではのリフォームが必要となるケースもあります。

特に戸建ての場合は数十年に一度はリフォームが必要になりますので、リフォーム資金は確保しておく必要があります。

介護費・医療費

日本は公的保険制度が充実していますので、諸外国に比べて自己負担額は大きくありませんが、それでも負担は大きいものです。特に認知症など要介護状態が長く続くと費用がかさみます。

また、高齢になると移動にタクシーを頻繁に利用したり、宅配サービスを利用したりするなど若い時にはかかってなかった費用がかかることも考慮する必要があります。

 

ライフプランを検討することが重要

贈与を検討する際は自分のライフプランをしっかりと検討してから行うことが重要です。現在の資産や支出だけでなく、将来受け取ることができる公的年金や支出もふまえて余裕のある範囲で贈与を行うようにしましょう。