生前贈与で相続税対策をする場合の注意点① ~時間がかかる生前贈与~

相続頑張るFPです。

相続税対策としては様々な手段がありますが、生前贈与を活用している方も多いでしょう。

 


今回は相続税対策として有効な生前贈与の注意点について解説していきます。

生前贈与が有効な理由

まずは生前贈与が有効な理由を解説していきます。

生前贈与が相続税対策として有効な理由は財産を次の世代に非課税で遺すことができるからです。毎年課税される暦年贈与には非課税枠があり、年間110万円まで非課税で渡すことができます。

法定相続人以外にも贈与をすることができますので、子どもだけでなく、孫や子どもの配偶者にも贈与をすることができます。

そのため、子どもが二人、それぞれに配偶者と子供が二人いる場合、合計8人に贈与をすることで、年間880万円まで贈与をすることができます。

数年間贈与を続けることで、大きな財産を非課税で次の世代に遺すことができるため、相続税対策として有効です。

 

贈与には時間がかかる

相続税対策として有効な生前贈与ですが、時間がかかることに注意が必要です。現在の法制度では、相続発生前3年以内に行った贈与は相続財産として相続税の課税対象となる制度になっています。

令和5年度の税制改正大綱では3年以内の繰り戻しが7年に延長されることが発表されており、贈与をしても7年以内に贈与者が死亡してしまうと意味がないということになります。生前贈与は有効な手段ではあるものの、時間がかかるので早めに始める必要があります。

時間がかからない一括贈与の特例

毎年110万円ずつしか非課税枠が認められていない暦年贈与に対し、一括で贈与ができる特例があります。贈与の特例について紹介します。

教育資金一括贈与の特例

教育資金一括贈与の特例は孫などに贈与をする際に教育資金に限り1,500万円まで一括で贈与できる制度です。贈与された資金は信託銀行などで金銭信託として預け、教育費として利用する際に領収書を提出して出金します。

贈与された資金は教育資金としてしか利用できませんなので、贈与を受けた若い孫などが無駄遣いをしないか心配な方にもおすすめの制度です。

 

住宅取得資金贈与の特例

住宅取得資金贈与の特例は子や孫が住宅を取得するための資金を贈与をする際に非課税になる制度です。

省エネ住宅の場合は1,000万円、省エネ住宅以外の場合は500万円まで非課税で贈与をすることが可能です。住宅購入は大きな負担となりますが、祖父母や父母の援助によって負担を減らすことができますし、相続税の節税にもつながります。