相続ブログを始めたきっかけ

はじめまして、相続頑張るFPです。

 

このブログでは相続人関する様々な情報をブログで発信していきたいと思います。

まずは何故このブログを始めようと思ったのかということを書かせていただきます。

 

信託銀行員時代の経験

私は信託銀行で7年間営業を行っていました。
信託銀行は預金や投資信託等の普通の銀行で扱っている業務に加え、相続や不動産等の業務も行っています。

相続業務には遺言の作成や保管に加え、執行と言われる遺言通りに財産を分ける事務代行、遺言を作成されていない方も分割方法をアドバイスしながら遺産の整理をする業務があります。

不動産業務は仲介業務やハウスメーカーと共同してマンションの建築やそれに付随する融資等を行います。
信託銀行の不動産業務は亡くなった後に不要な土地を売却する案件や生前に相続税対策で土地の有効活用を行うなど、相続に関連する不動産業務が多いことが特徴です。

信託銀行で行う相続業務はとてもやりがいのある仕事でした。
遺言の作成や遺産の整理は手数料が数百万円かかるケースもあります。
決して安い金額ではないと思いますが、財産配分が終わったころには、皆さん感謝してくださいました。

しかし、私は一つの無力感を感じていました。

それは相談を受ける時期によって打てる対策は限られているということです。

 FPは様々な知識を習得して顧客にアドバイスをします。
しかし、タイミングが遅すぎると打てる対策は限られてしまうのです。
「もっと早く相談してもらえばこんなことにはならなかったのに・・・。」
と思うことは何度ありました。

お客からも

「もっと早く相談しておけばよかったねえ・・・。」

という言葉を何度も言われました。
この原因の一つは相続について関心が無いことだと思います。
相続についてもっと真剣に考えることができれば、皆さんの相続はきっとうまくいくことができます。

まずは相続について真剣に考えることが重要です。
もう一つの原因は相続について網羅的に知る事が意外と難しいと言う事です。

相続について語る専門家は数多くいます。しかし、その専門家達は自分の専門分野の観点から相続を語ります。

例えば、弁護士であれば、法律の観点から財産の配分について語ります。
一方、税理士は節税や申告の方法等をアドバイスします。
保険会社の方であれば生命保険を活用した相続対策を提案するでしょう。
不動産会社の人であれば、不動産を活用した相続税対策を提案します。

何が言いたいかというと、専門家は基本的に自分の得意分野を活用した提案になるということです。

しかし、相続を上手く完結させるためには全体像を見て、最適な対策を打つ必要があります。そのため、ある対策だけを徹底的に行っても上手くはいかないのです。

次に実際の相続ではどのような問題が起こるケースが多いのか見ていきましょう。

 

自分の財産の配分は考えておくべき

 相続財産を次の世代に引き継ぐときには誰に、何をどれくらい遺すかは非常に重要ですよね。

しかし、配分は相続人に任せるから自分は何もいないと言う方は意外と多いものです。

以下のような典型的な事例でどのように配分するべきか考えてみましょう。

【事例】

相続財産:①自宅不動産(評価額5,000万円)

     ②預貯金(5,000万円)

相続人 :①長男(自宅不動産で同居)
     ②次男(遠方に住んでいてお盆と正月だけ帰省する)
     ※配偶者は既に他界

 

このようなケースではどのように財産を分けるべきだと思いますか?
少し考えてみてください。

①長男が同居している自宅の不動産と預貯金の50%(2,500万円)を相続する。
 次男は預貯金の2,500万円を相続する。
【相続する財産】
 長男:7,500万円
 次男:2,500万円

②長男が同居している自宅の不動産を相続し、次男は預貯金を相続する。

 【相続する財産】
 長男:5,000万円
 次男:5,000万円

 ③自宅不動産を長男と次男で2分の1ずつ共有、預貯金も2,500万円ずつ相続する。

 【相続する財産】
 長男:5,000万円
 次男:5,000万円

 

いかがですか?もちろん正解はあるわけでありませんが、このようなケースでは意見が分かれることがよくあります。

今回のケースで長男の立場である人は①であるべきだと主張するケースが多くなります。

長男の立場である人は実家に住んでおり、高齢の両親の介護をしていることが多いので、このような場合には年2回ほどしか会わない次男と比べて多く財産をもらうことが「当然」と考えます

一方、次男は②を主張するケースが多くなります。

次男の言い分としては介護をしている代わりに普段の生活費をある程度出しているケースも多いため、介護をすることに対する恩恵は既に受けているという主張です。

このようなケースでは長男が①を、次男が②を主張した結果③で決着するということケースが多くあります。

③は長男が自宅として住んでいる不動産を長男が次男が共有で相続するといういびつな形の相続になってしまうので、できれば避けたい所ですが、長男と次男が①と②を主張した結果③で落とし所をつけると言ったケースです。

このようなケースでは親が事前にどう分けるべきかを示すことが重要です。

どちらが正解というわけではありませんが、親が自分の考えを示しておけば子どもは大抵その配分に納得して従います。

親はどうしても、子ども達に対して「私が同じように育てたのだから、兄弟は同じ考えに至るだろう」と考えがちです。

しかし、子ども達は親元を離れてから何十年も暮らしていますし、考え方の違うパートナーがいる場合もあります。

兄弟姉妹間で骨肉の争いに発展させないためには親がしっかりと考えを示しておくことが重要です。

相続税対策を行えば簡単に節税できる

相続税対策を行うことでほとんどの人が確実に節税をすることができます。

なのに相続税対策を行なっている人は驚くほど少ないのが現状です。

私は相続税対策を行なっていない人理由は大きく分けて2つあると思っています。

一つ目はどうやって相続税対策を行えばいいのかわからないというもの。

相続税対策と言っても様々な方法があります。

相続の知識がない方にとってどのような方法が自分に最適かを見極めるのは難しいものです。

このブログでは今後、様々な相続税対策の方法をご紹介しますが、その方法がどのような方に向いている方法なのか、どのような方は避けた方がいい方法なのかを具体的にご説明していきます。

もう一つの原因が手続きが億劫ということです。

確かに相続税対策の手続きは面倒です。

また、相続は自分が死ぬことを考えることなので楽しいことではありません。

面倒で楽しくないものはついつい後回しにしがちですよね。

しかし、相続税対策の効果は大きいもの。

場合によっては1時間の保険手続きをするだけで100万円くらい節税できたりします。

100万円節税できるということは100万円使っても相続人には同じくらい財産を遺せるわけですから、自分が好きなことに使ってしまってもいいと思います。

相続対策を少しでも楽しく行うためにはこのような発想の転換も大切です。

考え方を少し変えるだけで前向きに手続きを進めることができますよね。

相続対策は準備が重要

ここまでご説明した通り相続対策に大きく分けて遺産分割対策と相続税対策があります。

どちらも準備が重要。

選択する方法によっては何十年もかかることがありますので、早めの対策が必要ですよね。

このブログでは「もっと早く教えてくれればよかったのに」という人が一人でも減るように、情報発信を続けていきたいと思います。