資産管理会社を活用した相続対策とは②

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相続頑張るFPです。

今回は前回に引き続き資産管理会社を活用した相続対策について解説します。

資産管理会社を活用することで相続税の節税や手続きの負担を減らすことが可能です。

しかし、資産管理会社を設立することでデメリットもあります。

今回は相続対策で資産管理会社を設立することの注意点を解説します。

 

維持に費用がかかる

資産管理会社を設立すると設立時だけでなく維持に費用がかかります。

個人で資産を保有していても維持にコストは多くかかりません。しかし、会社として運営することで個人で管理している時にはかからない費用がかかります。

具体的には社会保険の加入や保険料の支払い、役員報酬を支払う際の源泉徴収や年末調整等です。

 

また、法人化することで、収支の管理や記帳を厳密に行う必要があります。これらの作業にも費用がかかります。

法人化することで節税につながる部分もありますが、費用もかかるため節税効果と必要経費がどちらが大きいかを比較して検討する必要があります。

 

専門家の助けが必要

法人の設立には税理士等の専門家の知識が必要です。法人の設立は不動産オーナーの相続税対策としては有効な手段ですが、設立の事例が多いわけではありません。資格を持っていてもノウハウを持っていない税理士も数多くいます。

高度なノウハウを持つ税理士に依頼する際は相応の報酬も必要となります。法人化は簡単なことではありませんので、専門家に費用を支払う必要があると言うことは覚えておきましょう。

 

法人設立時に税金がかかる場合がある

法人を設立する際には不動産等の財産を法人に移転する必要があります。

法人に財産を移転する際は個人から設立した法人に不動産を売却する方法があります。

不動産を法人に売却した場合は譲渡所得税がかかります。法人は自分で管理しているため、他人に売却するという意識は低いかもしれません。しかし、法人と個人は別人格となるため、他人に売却した際の税金と考え方は同じです。

 

時価で売却した際に購入価格よりかなり高い場合や購入価格がわからない場合は特に注意が必要です。

購入価格が分からない場合は売却価格の5%を購入価格とみなすため、不動産を法人に売却したことで大きな利益を得たことになってしまいます。

 

不動産の所得は5年超の長期保有の場合所得税と住民税であわせて20%の税金がかかります。譲渡所得税は譲渡をした時にかかる税金ですので、個人として保有し続けた場合はかかることは無い税金です。

資産管理会社を設立することで、不動産の譲渡所得税を支払う必要があるため、相続税の節税効とどちらが得になるかよく検討する必要があるでしょう。

税理士等の専門家に細かく資産してもらうことが重要です。